フォークリフトのマストの役割と種類、よくある事故について解説
フォークリフトのマストとその役割
フォークリフトのマストとは、フォーク(爪)を支えている支柱のことを呼び、フォークを上下させるためのレールとしての役割を持っています。
マストレール部分にあたる外側の「アウターマスト」、フォークが固定されている内側の「インナーマスト」、フォークを昇降させる「リフトシリンダー」の3つで構成されています。

フォークリフトのマストタイプは3種類
スタンダードマスト
標準仕様のフォークリフトに付いているマストが、スタンダードマストです。
メーカーやフォークリフトの種類によって異なりますが、マストの高さ(揚高)は2500mm~3000mmまで上げることができます。
ハイマスト
ハイマストは、スタンダードマストよりも揚高が高いマストで倉庫内の棚など高所での作業に適したマストとなります。
揚高は3000~4000mmに設定されている車両が一般的ですが、中には6000mmに設定されてちるものもあります。
フォークを下げている状態でもマストはヘッドガードよりも高くなりますので入口が低い場所には入れないことに注意が必要です。
フルフリー3段マスト
ハイマストよりもさらに荷物を高いところまで揚げることできるのがフルフリー3段マストです。天井の低い倉庫内や、コンテナでの作業に最適で尚且つフルフリー機能で入口の高さが低い場所でも通過する事が可能です。
スタンダードマストとハイマストはマストが2段ですが、フルフリー3段マストは3段となっており、スライド式の梯子のように伸びて高所にまで届くようになっています。
揚高は4000~6000mm程度となっています。
フルフリー機能とは?
フルフリー機能とは、一定の高さまで爪を揚げても車高が変わらない機能のことです。
通常のマストは爪を揚げるとマストが上昇して車高が高くなってしまいますが、フルフリー機能のマストは、一定の高さまでは車高が変わりません。
(この一定の高さをフリーリフト量と呼びます)
フルフリー機能によって、間口の高さが低い場所を通ることができ、かつ高い場所へ荷物を上げ下げできることが特徴です。
揚高はそれなりに必要で且つ入口が低い倉庫・コンテナ内での荷役作業に最適です。
ただし、フルフリー機能に必要なシリンダーがマストの中央にあるため、通常のマストより視界が悪くなってしまう点はデメリットになります。
フォークリフトのマスト関連でよくある事故
高さを忘れて走行、入り口のシャッターを破損する事故が頻発
高さを忘れて走行、入り口のシャッターを破損する事故が頻発しています。
フルフリー機能の付いていないフォークリフトでは、フォークを揚げた状態だと車高が高くなってしまいます。
フォークが揚がったままの状態であることを忘れてそのまま走行してしまい、入り口にぶつかってしまう事故が増えています。これはうっかりで初心者でも熟練者でも起こりやすい事故です。衝突により入口のシャッターを破損させてしまう事故が多くあるようで、シャッターの修理費用は高価なので注意が必要です。
フォークリフトを走行する時は必ずマストが下がっていることを確認する習慣を付けましょう。
まとめ
自分が操作するフォークリフトのマストが3種類のうちどれに当たるかを理解した上で、特に揚げ高に注意しながら、安全に走行するようにしましょう。フォークリフトを走行させる時はフォークを下げて、マストが下がっていることを確認する習慣を付ける事が大切です。